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井上和哉(カズヤ)税理士事務所

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平成27年度税制改正大綱 個人課税編


個人課税については、配偶者控除を中心とした各種控除や税率構造等の大きな改正は見送られました。以下、主な改正項目を概観していきます。

●国外に居住する親族の扶養控除の適正化
国外扶養親族21人もの扶養控除の適用を受けていた事例があり、その適用に疑義のあるものも散見されることから、適用を適正にするための改正が行われました。
具体的には、国外に居住する親族に係る扶養控除等の適用を受ける納税者に対して、確定申告書等に次の書類を添付し、又は当該確定申告書等を提出する際に提示することを義務付けるものです。
①親族であることが確認できる書類(例:戸籍の附票の写し、出生証明書)
②納税者が親族の生活費等に充てるための支払を行ったことを確認できる書類(例:送金依頼書、クレジットカード利用明細書)
この改正は、平成28年分以後の所得税について適用されます。

●国外転出時の譲渡所得等の課税の創設
租税条約上、株式等のキャピタルゲインなどは居住地国課税です。これを利用し、含み益のある株式を保有したまま、株式等の譲渡非課税国に出国し、その後に売却することで、課税を逃れることができます。
これを防止するため、一定の高額の資産家を対象に、出国時に未実現の含み益に対して特例的に課税する規定を創設しました。
具体的には、出国時に有価証券の評価額が1億円以上の者であり、かつ、出国直近10年以内において5年を超えて居住者であった者が対象です(入管法別表第一の在留資格で居住していた期間を除く)。
また、未実現に対する課税ですので、納税資金が不十分であることを勘案し、一定の要件を具備することで納税猶予が選択できる措置も講じられています。
なお、この改正は、出国者(特例対象者)の有する有価証券等を贈与、相続又は遺贈により非居住者に移転した場合にも適用がありますので留意が必要です。
適用は、原則、平成27年7月1日以後に国外転出をする場合又は同日以後の贈与、相続若しくは遺贈からです。

●未成年者のNISAの創設
年間投資上限80万円、非課税期間5年間、非課税投資総額が最大400万円で、18歳になるまで原則として払出し不可といった要件があります。適用は、原則、平成28年1月1日以後の申し込みからです。

平成27年度税制改正大綱 法人課税編


平成27年度の税制改正は、法人税改革が中心です。その特徴は、法人税実効税率の引下げに伴う財源不足は同じ法人課税の枠内で調達する、というものでした。
しかし、改正項目の多くは資本金1億円超の大法人を対象としたものとなり、結果として、先行減税となる改正案です。以下、主な改正項目を概観していきます。

●法人実効税率の引下げ
法人税の実効税率(標準課税ベースで34.62%)を平成27年4月1日開始事業年度から2.51%、平成28年4月1日開始事業年度ではさらに0.78%引下げ、以後数年で20%台まで引下げるとするものです。
なお、中小法人等の軽減税率15%は、2年間延長されることになっています。

●欠損金の繰越控除の見直し
改正案は、中小法人等を除く資本金1億円超の大法人のみの見直しとなっており、控除限度額は、平成27年4月1日開始事業年度からは所得の65%(現行所得の80%)、平成29年4月1日開始事業年度からは所得の50%に縮減するものです。
なお、新設法人や再生計画の決定等があった場合には、一定の期間までは所得の全額を控除できるものとし、上場や再上場等の場合、以後の事業年度は対象外とするものです。

●欠損金等の繰越控除の延長
現行の9年から10年に延長です。これに合わせて帳簿書類の保存要件も10年に延長されています。この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額から適用です。

●受取配当金の益金不算入の見直し
改正案では、持株比率に応じて益金不算入割合を次のように区分しています。
持株比率5%以下:20%
持株比率5%超~1/3以下:50%
持株比率1/3超~100未満:100%
持株比率100%:100%
※負債利子控除に関しては、1/3超100%未満保有の関連法人株式等を除き廃止となっています。
この改正に伴い、負債利子控除額の計算の簡便法の基準年度を平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度に改められています。
※株式投資信託の分配金は、特定株式投資信託(益金不算入20%)を除き全額益金算入、また保険会社が受ける配当金については、特例的な措置が講じられています。

供託にもいろいろな種類がある


◆まずは供託の典型から
供託で、まず思い浮かぶのは、不動産賃貸借で、契約期間満了や賃料改定が争いとなったときに、賃借人が、法務局で賃料相当額を供託する事例ではないでしょうか。
これは、弁済供託という類型で、相手方が支払受領を拒否し、あるいは、行方不明になった場合に、供託によって支払義務から解放させることを目的とします。

◆供託は弁済供託だけではない
しかし、供託の種類はこれだけではなく、他にはこういう場面があります。
1.法律上、何らかの担保提供として供託が求められる場合(担保保証供託)
これは、①営業者(宅地建物取引業が典型)がその営業活動で生ずる債務や損害を担保するために供託を求められる場合(営業保証供託)、②裁判所から訴訟費用や訴訟行為による相手方の損害を担保するために、供託を命じられる場合(裁判上の担保供託)、③相続税、贈与税等の延納許可、又は納税猶予に関し、納付又は徴収を確保すべく、税務署長等から納税者に担保提供を求められる場合(税法上の担保供託)があります。
2.支払債務が第三者の差押えの対象になったために供託する場合(執行供託)
従業員への給与が差し押さえられた場合のように、金銭債権について裁判所から差押命令の送達を受けた場合に、当該金銭債権の債務者(第三債務者)が、その金銭債権の全額に相当する金銭を供託することができます。また、同一の金銭債権(例えば買掛金債務)について複数の債権者から差し押さえられた場合、第三債務者は、金銭債権の全額に相当する額の金銭を供託しなければなりません。
3.公職選挙のように、ある目的から、一定の額の金銭等を供託させ、一定の事由が生じたときは、国又は地方公共団体がこれを没収する供託(没取供託)
4.目的物の散逸を防止するために、供託物そのものの保管・保全を目的としてされる供託(保管供託)
例えば、銀行、保険会社等の業績が悪化して、資産状態が不良となった場合に、財産散逸を防ぐべく、監督官庁が財産の供託を命ずる場合です。

所得拡大促進税制の適用要件に注意!


2014年度税制改正において、所得拡大促進税制の適用期限が2018年3月末まで2年間延長され、適用要件が緩和されました。
改正では、給与等支給額の全体の平均額(平均給与等支給額)に係る判定要件が一般被保険者である継続雇用者(改正前は国内雇用者)に限定され、新設法人においても、適用要件が見直されておりますので、該当されます方は、ご注意ください。

改正後の適用要件は、
①雇用者給与等支給増加額が「基準年度の雇用者給与等支給額×2%(2013~14年度は2%、2015年度は3%、2016~2017年度は5%)」を上回っている
②雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額を上回っている
③平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を上回っていることの3つです。
雇用者給与等支給増加額は、当年度の雇用者給与等支給額から基準年度の雇用者給与等支給額を差し引いたものをいいます。
新設法人の場合は、上記①に係る基準年度の雇用者給与等支給額は、「設立事業年度の雇用者給与等支給額の70%」とされ、上記②の比較雇用者給与等支給額は0(ゼロ)となります。

また、新設法人には継続雇用者がいないことから、上記③の平均給与等支給額は、「継続雇用者の給与等支給額」、「継続雇用者の給与等支給者数」はそれぞれ1とされ、比較平均給与等支給額では、「継続雇用者の給与等支給額」は0、「継続雇用者の給与等支給者数」は1となります。

新設法人の場合の適用要件は、
①「雇用者給与等支給額×30%≧雇用者給与等支給額×1.4%(70%×2%)」
②「雇用者給与等支給額≧0」
③「1/1>0/1」となります。
したがって、新設法人の場合は、国内雇用者に対する給与等支給額が1円でもあれば、必ず適用要件を全て満たすことになり、所得拡大促進税制を適用することができることになります。

なお、継続雇用者に対する給与等とは、適用年度及びその前年度に給与等の支給を受けた国内雇用者に対する給与等のうち、雇用保険法の一般被保険者に対する給与等をいいますが、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度に基づき雇用される者に対する給与等は除かれますので、ご注意ください。

(注意)
上記の記載内容は、平成26年12月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

法人税法上の繰延資産に注意!


法人が建物等を賃借する場合には、契約により保証金を支払うことが多いですが、その契約には、「保証金のうち退去時には○%は返還しない」と記載されていることがあります。
この場合、保証金のうち退去時に返還される金額相当額は保証金として資産計上する一方、保証金のうち返還されない金額相当額(いわゆる権利金)は、税務上は一時の費用とはならず、繰延資産として資産計上し、その効果の及ぶ期間において費用化します。

法人税法では、法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものを繰延資産としますので、ご注意ください。
具体的には、会計上の繰延資産である株式交付費・社債等発行費・創立費・開業費・開発費と、
①公共的施設等の負担金(アーケードの日よけなど)
②資産を賃借するための権利金等
③役務の提供を受けるための費用
④広告宣伝用資産を贈与した費用などの法人税法上の繰延資産があります。
資産を賃借するための権利金等では、建物を賃借するために支出した権利金(更新料を含む)、電子計算機その他の機器の賃借に伴って支出する引取運賃、関税、据付費用などがあります。

また、広告宣伝用資産を贈与した費用では、看板、ネオンサイン、ディスプレイケースなどの贈与費用があります。
法人税法上の繰延資産では、そのほか、その他自己が便益を受けるための費用として、同業者団体への加入金などがあります。

税法独自の繰延資産については、償却期間及び償却方法ともに定められており、償却限度額を超える部分については、法人税法上は費用とすることはできません。
例えば、権利金50万円を法人が一時の費用としても、税法では5年間(賃借期間が5年未満で、更新時に権利金等を支払う契約になっているときは、その契約期間)で費用化することになり、減価償却超過額については、税金の計算上は費用になりません。
ただし、支出額が20万円未満の少額な繰延資産については、一時の費用とすることができます。
中小企業者等には、取得価額30万円未満の減価償却資産について一時の費用とする制度がありますが、繰延資産については20万円未満となっていますので、ご注意ください。

(注意)
上記の記載内容は、平成26年12月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

平成27年1月以後に開始する相続 「小規模宅地等の減額」の改正


◆H27.1.1以後の「小規模宅地等の減額」
平成27年1月1日以後に開始する相続に係る相続税について適用される基礎控除額の引下げ・税率構造の見直しによる税負担の増加を緩和するため、次の「小規模宅地等の減額」の改正が行われております。
①特定居住用宅地等の限度面積の拡大
②特定事業用等宅地等と特定居住用宅地等の完全併用

◆特定居住用宅地等は限度面積330㎡に拡大
特定居住用宅地等の限度面積が240㎡から330㎡に拡大されました。これは大都市圏における「特定居住用宅地等」を適用している事案の平均値が約360㎡であることなど居住用宅地の実情に合わせた改正です。

◆「特定事業用等」「特定居住用」の完全併用
小規模宅地等の減額を受けようとする宅地等が複数ある場合には、「特定事業用等宅地等」(特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等)、「特定居住用宅地等」と「貸付事業用宅地等」の限度面積を全体で調整する規定が設けられています。
今回の改正後も次の算式により減額の適用ができる限度面積が調整されます(これを「限定併用」といいます)。
【算式】
特定事業用等宅地等の面積×200/400+特定居住用宅地等の面積×200/300+貸付事業用宅地等の面積 ≦200㎡
今回の改正では、この算式によらず、「特定事業用等宅地等」と「特定居住用宅地等」のみである場合には「完全併用」できるという制度が設けられました。つまり、「特定事業用等」400㎡と「特定居住用」330㎡を合わせて730㎡まで制限なく適用できることになります。

◆小規模宅地等の「選択」が変わってくる
「限定併用」の考え方では、減額金額が最大となる選択をする場合には、次の算式による「1㎡当たりの減額金額」を比較して大きなものから選ぶことになります。
・「特定事業用等」 1㎡単価×80%×400/200
・「特定居住用」  1㎡単価×80%×330/200
・「貸付事業用」  1㎡単価×50%
ただ「完全併用」が導入されたことにより、1㎡の減額が大きな「貸付事業用宅地等」をあえて選択せず、「完全併用」を用いた方が有利なケースも出てきました。今後は「限定併用」「完全併用」の両者を計算して比較し検討する場面も出てきそうです。

たまたまの土地の譲渡 準ずる割合の承認日


◆仕入税額控除の原則
消費税の仕入税額控除には、個別対応方式と一括比例配分方式の2つの方法が認められています。
なお、一括比例配分方式を採用した場合は、2年間その適用を継続しなればなりません。

◆課税売上割合の原則的な取扱い
個別対応方式においても一括比例配分方式においても、原則、課税売上割合を計算しないと仕入税額控除を求めることができません。課税売上割合は、原則、次の計算式で求めることになっています。
課税売上割合=(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)/(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額+非課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)
しかし、特例として、承認を受けることで上記課税売上割合に代えて事業者の事業の実情に応じて算定した合理的な割合、いわゆる課税売上割合に準ずる割合を求めて控除税額を計算することもできます。

◆たまたま土地の譲渡があった課税期間
たまたま土地の譲渡があった場合、一般的には、非課税売上の譲渡等の対価の額が大きくなることから、課税売上割合は大きく低下し、仕入税額控除額は小さくなり、結果、事業者にとっては予期しがたい税負担を招来させます。
そこで、課税実務では、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内であれば、次により求めた割合のうち低い割合を課税売上割合に準ずる割合とすることが認められています。
・土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合
・土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合

◆準ずる割合の適用承認はいつまで
消費税の実務において、届出書の提出期限又は承認はいつまでか、その手続きが重要です。多くの場合、承認・届出の手続きは、適用を受けようとする課税期間の末日まで、又は課税期間の開始の前日までです。
しかし、この準ずる割合の承認申請ですが、適用しようとする課税期間末日までに承認を受けていなければ適用できないことになっています。課税期間末日近くでの申請では承認が間に合いません。これは酷な規定です。

国税庁:「輸出物品販売場制度に関するQ&A」を公表!


国税庁は、「輸出物品販売場制度に関するQ&A」をHP上に公表しました。
Q&Aは、同制度の概要や今回の改正内容について全40問の質疑応答の形で解説しております。
この背景には、外国人旅行者が増加するなか、輸出物品販売場(免税店)制度が改正され、2014年10月から、消費税免税対象物品の範囲が、一定の要件の下、食品や飲料など消耗品を含む全ての物品に拡大されることなどを受けてのものです。

「輸出物品販売場制度」とは、輸出物品販売場(免税店)を経営する事業者が、外国人旅行者などの非居住者に対して、その輸出物品販売場において、通常生活の用に供する物品を一定の方法で販売する場合に、消費税が免除される制度です。
なお、輸出物品販売場を開設しようとする事業者(消費税の課税事業者に限る)は、販売場ごとに事業者の納税地を所轄する税務署長の許可を受ける必要があります。
今回の改正の主な内容は、輸出物品販売場制度について、
①免税対象物品の範囲が、消耗品を含む全ての物品に拡大されたこと
②一定の場合、輸出物品販売場を経営する事業者において非居住者の旅券等の写しの保存が必要となったこと

③購入記録票等の様式の弾力化や記載事項の簡素化が図られたことなどです。
改正前の免税対象物品は、「通常生活の用に供する物品のうち、消耗品(食品類、飲料類、薬品類、化粧品類その他の消耗品)以外のもの(購入額の合計が1万円超の物品)」とされていましたが、改正により、食品や飲料、化粧品などの消耗品も免税対象物品とされました。
ただし、新たに免税対象物品に加えられた消耗品は、同一の非居住者に対する同一の輸出物品販売場における1日の販売額の合計が5千円を超え50万円までの範囲内のものとされます。

また、以下の方法で販売する場合に限り、免税対象となりますので、ご注意ください。
①非居住者が、旅券等を輸出物品販売場に提示し、その旅券等に購入記録票(免税物品の購入事実を記載した書類)の貼付けを受け、旅券等と購入記録票との間に割印を受けること
②非居住者が、「消耗品を購入した日から30日以内に輸出する旨を誓約する書類」を輸出物品販売場に提出すること
③指定された方法により包装されていることです。

(注意)
上記の記載内容は、平成26年12月3日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

 

相続以外の承継 事業承継した資産の償却方法


相続により減価償却資産を取得した場合の取扱いについては、被相続人の取得価額、帳簿価額及び当該資産の耐用年数は引き継ぎ、被相続人が選択した償却方法は引き継がない、と定められています。  このため、相続人が定率法を選択する場合には、新たに償却方法の届出が必要となります。
◆廃業した場合の償却資産の取扱い

例えば、父が事業を廃業し、その生計を 一にする長男が父の事業を承継、父が事業の用に供していた店舗(当該店舗は父が旧定率法で償却していた)を無償で父から借り受けて事業の用に供した場合、長男の所得計算における上記店舗の減価償却費の計算はどの償却方法によるべきか、疑問が生じるところです。
◆課税当局の回答

課税当局の回答は、「旧定率法」により計算する、です。  その根拠は所得税法56条です。この規定からは、次のような解釈になります。  親族(父)がその有する資産(店舗)を無償で当該事業(承継した長男)の用に供している場合、居住者(長男)の事業所得の額の計算上、必要経費に算入する減価償却費は、居住者(長男)と生計を一にする親族(父)が所得金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費である、ということです。  また、居住者の有する減価償却資産が年の中途において不動産所得、事業所得等を生ずべき業務の用に供された場合には、そのよるべき償却方法として旧定額法、旧定率法を選択している減価償却資産は、旧定額法、旧定率法等により償却費の額を計算することになっています。
◆回答に対する補足説明

相続により減価償却資産を取得した場合の取扱いとは異なり、父の廃業後、その事業を承継した長男が父の所有する店舗を無償で事業に供しています。  この場合、長男の当該事業に係る所得金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費は、父が店舗使用の対価を受け取ったならば不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費になります。  したがって、この減価償却費の額は、父が選択していた方法、旧定率法により計算した減価償却費の額となります。結論は、償却方法は旧定率法、ということです。

2015年1月から適用される暦年課税の贈与税率に注意!


2015年1月1日から、相続税については基礎控除額が40%縮減されるなど大増税となりますが、贈与税については、直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例が創設され、20歳以上の子や孫への贈与を対象に税率構造を緩和、それ以外の暦年課税の贈与を対象とした贈与財産に係る贈与税(暦年課税)の税率構造についても見直されております。

暦年課税の場合は、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により財産を取得した20歳以上の受贈者について、特定税率の適用がある「特例贈与財産」と、特例税率の適用がない「一般贈与財産」に区分して贈与税額を求めることになります。
現行の贈与税の税率については、10%~50%の6段階に分かれた税率構造により課税されており、基礎控除額は一律110万円となっております。
例えば、贈与により500万円の財産を取得した場合の贈与税額は、「500万円-110万円=390万円(基礎控除後の課税価格)」となり、「390万円×20%-25万円」で算出した53万円が贈与税額となります。

しかし、2015年1月からは、20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る暦年課税の税率構造は、税率区分が現行の6段階から8段階となり、3,000万円以下の贈与は税率が引き下げられますので、ご注意ください。

一方、それ以外の暦年課税の贈与(一般贈与財産)を対象とした税率構造も、税率区分が現行の6段階から8段階となり、基礎控除後の課税課核が1,000万円超~1,500万円以下は45%に引き下げとなります。
そして、2015年1月以降は、特例贈与財産と一般贈与財産がある場合の贈与税の計算が必要となる場合も出てきます。
その場合は、下記(A+B)が贈与税額となり、基礎控除後の課税価格は、(一般贈与財産の価額+特例贈与財産の価額)-基礎控除額となります。
A.基礎控除後の課税価格×一般贈与財産の税率×(一般贈与財産の価額/合計贈与価額)
B.基礎控除後の課税価格×特例贈与財産の税率×(特例贈与財産の価額/合計贈与価額)
該当されます方は、ご注意ください。

(注意)
上記の記載内容は、平成26年12月3日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。