新規開業 法人設立のサポートは井上和哉(カズヤ)税理士事務所にお任せください。

井上和哉(カズヤ)税理士事務所

map

  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ

メールでのお問い合わせはこちら

2015年度税制改正:国外転出する場合の譲渡所得等の特例を創設!


2015年度税制改正において、海外移住する場合には、株式などの含み益に課税する「国外転出する場合の譲渡所得等の特例」が2015年7月より創設されます。
この背景には、富裕層が巨額の含み益を有する株式等を保有したまま、シンガポールや香港などのキャピタルゲイン非課税国に出国し、税負担を回避する事例が増加傾向にあるためだとみられております。

日本国内における株式売却益には20.315%の税金がかかります。
一方、租税条約上、株式等のキャピタルゲインについては、株式等を売却した者が居住している国に課税権があるとされております。
そこで、金融資産の売却益に課税しないシンガポールや香港、スイスなどに移住すれば税金がかからないことになり、こうした節税策が増加傾向にあるといいます。
アメリカ、ドイツ、フランス、カナダ、イギリスなど先進諸国においては、出国時に未実現の含み益に対して特例的に課税する措置等を講じていますが、日本で創設される特例は、株式などの金融資産の合計が1億円以上の者が対象となります。

出国時に、金融資産の時価から取得費用を差し引いた金額が課税されます。
ただし、国外転出後、5年以内に帰国した場合は特例を取り消したり、海外転勤などで日本へ戻る予定の場合は納税が猶予されます。
特例の適用を受けて課税された人が、5年以内に帰国した場合で、出国時の金融資産を引き続き保有していたものは、帰国した日から4ヵ月以内に更正の請求をすることで出国時に課税された税金が戻ってきます。
また、転勤などで一時的に海外に住み、金融資産を売却せずに日本に戻る予定の人は、納税猶予の届出をすれば、国外転出日から原則5年間、その納税が猶予され、納税猶予の期限は、最大5年の延長も認められます。

なお、贈与や相続、遺贈によって海外の非居住者に金融資産が移転する場合の取扱いも定めております。
この特例の対象者の金融資産が、贈与や相続、遺贈によって非居住者に移転した場合には、その贈与や相続、遺贈のときにおける価額に相当する金額によって、その株式等の譲渡等があったものとみなして、事業所得の金額や譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算することとされます。

(注意)
上記の記載内容は、平成27年4月13日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません.

H27.4月よりスタート!結婚・子育て資金の一括贈与の非課税


◆結婚・子育て資金の一括贈与の非課税創設
平成27年4月より「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税」制度がスタートしています。
こちらは「教育資金の一括贈与」の「結婚・子育て」版です。信託協会によれば平成26年12月現在の教育資金贈与信託の契約数は101,866件、信託財産設定額合計は6,973億円だそうです。「高齢者資金を若年世代に移転する」という政策意図に見事にはまったものといえるでしょう。このような「成功例」もあり、今回の税制改正で「結婚・子育て資金」の非課税制度の創設をみた訳です。

◆「通常額」を「その都度」支出する場合
もともと、扶養義務者から「生活費」又は「教育費」として贈与を受けた場合には、①金額が通常必要と認められるものであり、②必要な都度、「生活費」「教育費」に充てられるものについては、贈与税の非課税とされています。子・孫が父母・祖父母から婚姻後の生活を営むために通常必要とされる家具什器等の購入資金とするために贈与した場合もこれにあたります。
また、結婚式や披露宴の費用を親などが負担した場合も、式・披露宴の内容や招待客との関係、地域の慣習の事情に応じて、本来負担すべき者に分担されている場合には、贈与に当たらないこととされています。

◆「一括贈与」のニーズの高まり
ただし、「将来の結婚のために渡しておきたい…」という場合には、「通常額」を「その都度」という要件にあたらないため、贈与税の課税対象となってしまいます。
このような「一括贈与」を対象として設けられたのが今回の非課税制度です。
20歳以上50歳未満の方が「結婚・子育て資金」に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、直系尊属(父母や祖父母)から①信託受益権を付与された場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預け入れた場合、又は③書面による贈与により取得した金銭等により証券会社で有価証券を購入した場合には、それらの価額のうち1,000万円までの金額については、金融機関等の営業所等を経由して「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出することにより贈与税が非課税となります。

複数の組み合わせが必要?!企業買収の予防策・対抗策


◆「雪国まいたけ」TOBにより買収される
平成27年4月、米ファンドによる雪国まいたけのTOB(株式公開買付)が成立しました。このTOBにより米ファンドは78%の議決権を単独で獲得することとなりました。
会社法の規定では発行済株式総数の2/3以上を有する大株主は、他の少数株主から保有株式を強制的に買取ることができます。
そのため米ファンドは株主総会の特別決議を経て、上場廃止を行い、100%の完全支配を実行することが確実視されています。
今回の買収劇で大きな注目も浴びたのが取引銀行の行動です。もともとTOB前の筆頭株主は創業者グループで資産管理会社の保有分を含めて、議決権の58%を握っていました。ところが取引銀行がTOB直前に担保権を実行して株式の所有権を取得。その後、TOBに応じたということのようです。

◆有効な企業防衛戦略には何があるか
敵対的買収者から企業を防衛する戦略として次の3つのポイントがあります。
①敵対的買収者の持株数を増加させない
②敵対的買収者の議決権割合を減少させる
③敵対的買収者にとって標的会社の魅力を低下させる
これらについては、敵対的買収を仕掛けられる以前に準備するもの(平時の予防策)と、買収の標的とされた後に行うもの(有事の対抗策)があります。

◆具体的な予防策・対抗策
具体的な予防策と対抗策はそれぞれ次のようなものが挙げられます。
①敵対的買収者の持株数を増加させない
(予防策)株主安定化対策・自己株式取得・ゴーイングプライベートなど
(対抗策)セルフ・テンダー・オファー、ホワイトナイトのTOBなど
②敵対的買収者の議決権割合を減少させる
(予防策)第三者割当増資等、基準日変更、ポイズンピル、議決権制限株式など
(対抗策)第三者割当増資(有利発行)、ポイズンピル買収など
③敵対的買収者にとって標的会社の魅力を低下させる
(予防策)スーパーマジョリティ、取締役の定員削減と期差専任、ゴールデン・パラシュートなど
(対抗策)パックマン・ディフェンス、クラウン・ジュエルなど

専業主婦の年金に新しい手続きが開始


◆特例期間該当届・特例追納制度
今までサラリーマンの配偶者に扶養されている専業主婦(主夫)で国民年金の3号被保険者であった人が1号被保険者への切替の事由が発生した際に手続きを忘れていて、気がつかないうちに保険料未納期間になってしまっていたようなケースが多々ありました。後から気がついても保険料納付遡り期間は2年間とされていたためそれより前の期間は納める事ができませんでした。
このような場合の救済措置として4月から遡り追納期間が10年になりました。

◆このような場合に手続き漏れが多い
ケース1 サラリーマンの夫が
・退職した
・脱サラして自営業を始めた
・65歳を超えた
・亡くなった
・サラリーマンの夫と離婚した
ケース2
・妻自身の年収が増えて夫の健康保険の被扶養者からはずれた(妻が会社員、夫が専業主夫の場合も同様)

このような時は本来国民年金の切替の手続きを行わなければならないのですが、手続きを忘れ未納期間が発生してしまった方も追納の手続きができるようにしたのです。

◆手続きの必要のある方は
夫が退職した時や妻の年収が増えた時等は第3号被保険者から第1号被保険者への切り替え手続きが必要ですが、手続きが遅れて、2年以上たってしまい保険料納付ができずに未納期間扱いとなってしまった方です。

◆手続きのメリットは
①未納期間があるため年金加入期間が足らず年金を受け取れないと言う事態を回避できる場合があります。たとえ保険料を納めなくとも「特定期間該当届」の手続きをすれば年金額は変わりませんが受給資格期間には算入できます。
②保険料の追納で年金額を増やす事ができます。届出を忘れていた特定期間について「後納・特定保険料納付申込書」の手続きで最大10年分保険料を納める事ができるので年金額に反映されます。

会社の休眠とみなし解散


◆会社の休眠とは?
営業を現在はしていないが、いつか営業を再開するかもしれない。そんな会社を「休眠」させる事ができます。「異動届出書」に休眠である旨を書き、税務署・都道府県税事務所・市役所に提出する事で、休眠会社にする事ができます。

◆休眠のメリット
会社の休眠は、会社の解散に比べて、清算手続をしなくて済みますので、圧倒的に手続きが簡単です。休眠中も税務申告を行う必要がありますが、当然休眠中ですから、損益ゼロという場合もあるでしょう。実際には休眠中は税務申告をしないケースも多々あるようです。しかし、税務申告をしないと、青色申告が取り消されたり、様々な許認可や、復活後の取引に影響が出ることもありますので、いずれ復活させたいと考えるなら、休眠中も申告をした方が良いでしょう。
また、休眠中の法人でも、地方税の均等割は支払わなければならないのですが、まったく事業を行っていない(銀行の預金もない場合など)と認められれば、均等割を免除されるケースもあります。

◆休眠から12年でみなし解散
株式会社であって、最後の登記の日から12年を経過すると、「事業を継続している場合は、公告及び通知の日から二カ月以内に事業を廃止していない旨の届出を本店所在地所轄の法務局に提出すること」を要請されます。この届出をしないと、法務大臣が解散したとみなす事ができます。
解散登記がなされて放置しておくと、3年後に清算結了登記がなされて、会社自体が無くなってしまいます。
登記されている本店所在地に「廃止していない旨の届出の提出」の要請が来るので、登記や税務申告を放置して本店移転をしていると、公告・通知がなされた事もわからないといった場合があります。

◆休眠から目覚めさせる時
休眠状態の会社を復活させる際は、休眠時と同じように税務署・都道府県税事務所・市役所に届出を提出します。
休眠中、無申告であった場合は青色申告が取り消されていますので、事業年度開始時に青色申告の申請を忘れないようにしましょう。

話題のふるさと納税


◆ふるさと納税をしている人が増えている
ふるさと納税制度は納税者が、住んでいる場所以外の自治体に寄付し、寄附金控除として後に税金を軽減する、つまり住んでいる場所の他に納税できるという制度です。
各自治体が「寄附のお礼」として、地元の特産品を提供し、「寄附したお金は税金を払った扱いになる上、物が貰える」という事で、あまり節税対策等に縁が無かったサラリーマンを中心に、お得な制度として近年脚光を浴びています。
平成20年に寄附した人(確定申告者ベースで換算)が約3万人だったのに対し、平成25年に寄附した人は4倍強の約13万人となりました。寄附の総額を比較してみると、2倍止まりとなっている事から、控除可能額は個人の税額に比例するため、裾野が広がり、寄附している所得層が拡大しているように感じられます。

◆税制改正でさらに利用増加か
寄附者の増加は、今年の税制改正でさらに勢いがつきそうです。住民税寄附金税額控除の特例分が、旧来は住民税所得割額の1割が上限でしたが、2割へと引き上げられました。
今まで少額しか控除されなかった方、たとえば年金暮らしのお年寄りの方でも、控除上限までの寄附をして、お礼の品が貰えるようになりました。

◆自治体も工夫をしている
魅力ある「お礼の品」もさることながら、目的別の寄附を募る自治体も増えています。
美術館の新設や、桜の保護、犬の殺処分をゼロにする、商店街のにぎわいを取り戻す、ハンドボール中学選手権の存続、難病治療研究等、ふるさと納税の寄附によって、地元NPO法人や各団体とタッグを組み、魅力ある街づくり、社会的意義の高い寄附を目指しています。
もちろん、地場産業を支えるお礼の品の提供も、立派な地域振興ですが、自治体が国民に取り組みをアピールするという、総務省が掲げるふるさと納税の意義を鑑みると、自治体にはクラウドファンディング型の寄附プロジェクトを、もっと考えて、増やして欲しいところです。