新規開業 法人設立のサポートは井上和哉(カズヤ)税理士事務所にお任せください。

井上和哉(カズヤ)税理士事務所

map

  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ

メールでのお問い合わせはこちら

前期損益修正の取扱い 会計と税務の違い


過年度において、正常に収益として益金の額に算入された売上高や資産の譲渡等について、その後の事業年度において契約の解除や取消し、返品、値引き等といった事実が生じた場合、一般論として、過年度に遡って、計上した収益の額を修正しなければ適正な期間損益計算及び課税所得は計算できません。

◆会計と税務の共通
民法上の考え方からすれば、契約の解除や取消し等があった場合には、当初に遡ってその契約の効力を失うことになります。
しかし、会計も税務も、いわゆる「継続企業の原則」に基づき、このような後発的な事由によって生じた損失については、過去の事業年度に遡って修正することはしないで、原則、その解除や取消し等の事実が生じた事業年度に「前期損益修正損」として計上し、税務も当該修正損は損金の額に算入されます。

◆会計と税務の違い
では、過年度の売上高が過大、または外注費等の計上漏れがその後の事業年度において発覚した場合、会計も税務も上記の後発的事由と同様に、その発覚した事業年度において、売上高の過大部分及び費用の過少部分を修正し、前期損益修正損として計上、税務も損金の額に算入されるか、です。
このような場合においては、会計は前期損益修正損として、発覚したその事業年度の損失として計上しますが、税務は、あくまでも過年度に遡って、益金の額を減額、また、損金の額を増額修正し、その事実のあった事業年度の課税所得の金額を再計算します。したがって、会計の前期損益修正損は、税務上は損金の額には算入されません。原則、「更正の請求」以外に救済の余地はないことになります。

◆課税所得計算の原則
法人税法は、各事業年度の課税所得を計算します。したがって、後発的事由に基づかないもの、例えば、当初申告に係る益金の額又は損金の額が事実に反している場合や事実を失念している場合、さらには、その計算が事実を誤認してなされている場合には、常に当初申告に遡って課税所得を訂正します。これが原則であり、その趣旨は恣意性の排除、公平な課税所得の計算です。
なお、この原則は、個人の事業所得や不動産所得で継続的な事業から生ずる所得についても適用されると考えられています。

平成29年6月の税務


6/12
●5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収額(前年12月~当年5月分)の納付

6/15
●所得税の予定納税額の通知

6/30
●4月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●10月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の3月、4月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(2月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)

管理会計のススメ 機会損失・購入単価引下げvs在庫


◆自分の責務に忠実なこと≠会社全体の利益
自分の担当する業務にとってプラスとなることをしても、それが必ずしも、会社全体の利益につながるわけではありません。
(1)機会損失を恐れすぎると…
「買いたいというお客さんが現れた時にすぐに売れるような体制でいたい」という営業マンの気持ちもわかります。しかしながら、営業マンが機会損失(=売れるのに商品がなくて販売を逃すこと)を恐れる気持ちが強くなり、あれもこれもと品揃えをしたくなると、結果として会社の在庫を増やしてしまいます。
(2)大量仕入れで単価を圧縮できた結果…
仕入れの担当者は、いかによいものを安く調達するかに心をくだきます。大量に仕入れをすれば、1個当たりの仕入れの価格は小さくなります。しかしながら、コスト削減に力を注ぐあまり、往々にして、売れ残ってしまう在庫を増やしてしまう事態を引き起こしかねません。

◆なぜ「在庫=罪庫」といわれるのか?
ものを買うと代金を支払わなければなりません。お金は先払いですが、売れるまでお金は入ってきません。仕入れの代金を借入金で支払っている場合には、その借入の利息も発生します。在庫が増えれば、倉庫代や在庫の管理費もかさみます。すなわち、在庫には「仕入れ代金の先払い+借入金利息+倉庫代+在庫管理費」がかかるのです。これが“在庫は罪庫”といわれる所以です。

◆会社全体を見渡すのが社長の仕事です
社員は、それぞれ自分の担当する業務で成果を上げることが会社の利益につながると思い、懸命に頑張ります。しかしながら、それぞれの担当が良かれと思って行っていることが、会社全体にとってはマイナス方向に働く場合もあります。
会社全体を見渡し、適宜軌道修正をして、会社全体としてプラス方向に働くよう導くのが社長の仕事です。

◆会計数字を生かす
過剰在庫は悪と言われても必要な在庫は持っていなければなりません。適正在庫はどのように求めればよいのでしょうか?
たとえば、在庫には在庫回転期間というものがあります。適正水準は、業界ごとに違います。同業種・同規模の他社の数字が参考となります。また、自社の過去の数字との比較も役立ちます。会計事務所の担当者に聞いてみましょう。

相続課税割合公表値を読む


◆基礎控除引下げの影響の予測と結果
平成27年1月1日以後の相続から基礎控除額が60%に引下げられています。27年中の相続税申告の事績が昨年末に公表され、その制度変更の影響がどう表れているか明らかになりました。
亡くなられた方について相続税の申告がなされた割合は10年来4.1~4.4%で推移していたところ27年は8.0%と倍近い増加になっています。少し前までは、6%ぐらいを予測値としている情報が多かったところです。

◆公表結果値の概要
死亡者数は年々少しずつ増加し、ここ10年来で2割ぐらい増えてはいるところ、前年比では1.4%程度の増にすぎませんが、課税申告書提出件数は83.2%もの増になっています。
前年比の申告書の提出を要する課税実増加件数は46,804人で、それに対応する実増加申告財産額は32,276億円で、相続申告増加1件当たり約6,900万円です。実増加税収は4,208億円で、相続申告増加1件当たり約899万円です。

◆都道府県別比較をしてみると
課税申告割合、全国平均の8%に対し、都道府県別に高い方のベスト3をみると、東京15.7%(都内23区では16.7%)、愛知13.8%、神奈川12.4%です。東京の場合は、6.4人に1人の割合で相続課税がなされています。低い方のベスト3は、秋田2.2%、青森2.9%、鹿児島3.1%です。秋田の場合は、45.5人に1人の割合で相続課税されています。

◆変化の波と身近な経験的印象
課税対象となる割合の高い地域が、その割合の増加の程度も高そうに思ってしまいそうですが、課税対象割合の増加率を追ってみると、その高い地域の増加変化率は東京が最低で162%、次いで京都163%、大阪164%で、これがワースト3です。
逆に、増加変化率のベスト3は、富山246%、秋田244%、青森223%です。絶対数では、大都市圏で課税対象者割合が高いと言えるものの、基礎控除引下げの煽りを烈しく受けて変化の波に呑まれているのは過疎的地方なのかもしれません。