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井上和哉(カズヤ)税理士事務所

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2014年度税制改正大綱:地方税関係の見直しについて


2014年度税制改正大綱が決定され、地方税関係では個人住民税、地方法人課税、車体課税の見直しがされました。
個人住民税では給与所得控除制度が見直され、上限額が適用される給与収入が現行の1,500万円(給与所得控除の上限額245万円)から、2017年度分が1,200万円(同230万円)に、2018年度分からは1,000万円(同220万円)に、段階的に引き下げられます。

また、地域間の財政力格差縮小を図るため、地方法人課税が改正され、消費税率8%段階から法人住民税法人税割の一部を国税化して地方交付税の原資とする措置で、現行の道府県民税の税率5.0%が3.2%に、市町村民税12.3%が9.7%になります。
その引下げ分にあたる4.4%が「地方法人税」(仮称)として創設される予定で、この改正は、2014年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
車体課税の見直しでは、自動車取得税を消費税率8%への引上げ時に、一定の燃費基準を満たした自動車の取得に対して税率の引下げを実施し、自家用(軽自動車を除く)は5%から3%に引き下げられます。

そして営業用と軽自動車は、3%から2%にそれぞれ引き下げるとともに、2014年度までの措置であるエコカー減税の軽減率も拡充されます。
さらに消費税率10%への引上げ時に同税を廃止することも改めて明記しております。
自動車税については、2013年度末で期限切れを迎える「グリーン化特例」を見直して、軽課対象を重点強化し、環境負荷の大きい自動車に対する重課割合を10%、15%とした上で2年間延長します。

また、消費税率10%段階において、自動車取得税のグリーン化機能を維持・強化する環境性能課税を、自動車税の取得時の課税として実施することとしましたが、具体的な結論は2015年度の税制改正で得ることとして先送りしました。
業界団体から反対の声が強かった軽自動車税の税率引上げ問題は、軽自動車・二輪車ともに引上げで決着しました。
2015年度以降に新規取得される四輪等の新車の年税額は、自家用乗用車が現行の7,200円から1万800円に、自家用貨物車が4,000円から5,000円に引き上げられます。
該当されます方は、ご確認ください。

(注意)
上記の記載内容は、平成26年4月3日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

老後のライフプランに合わせて 国民年金基金


◆自営業や自由業など国民年金1号の方対象  20歳以上60歳未満で国民年金の第1号被保険者であり、保険料を納付している方は国民年金基金に加入することができます。国民年金基金は老齢基礎年金に上乗せして老後の生活保障を厚くする公的年金です。都道府県が運営する地域型国民年金基金、職種単位で作られた職能型基金があります。
◆平成24年総務省統計局家計調査から  高齢者夫婦が実際に必要とする生活費は月27万円だと言います。国民年金は20歳から60歳未満のすべての期間の保険料を納めても夫婦で約月13万円です。ゆとりある老後のためにはこの差を埋める必要があります。サラリーマン等は老齢基礎年金に加え厚生年金にも加入しているので国民年金の基礎年金しか加入しない人に比べて年金給付額が多くなります。そこで個人年金である国民年金基金で上乗せした年金を受け取ることができるようにしています。
◆選べる年金タイプ  国民年金基金は口数制になっていて年金額や給付の型は自分で選択します。給付の型は終身年金のA型・B型、確定年金のⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型・Ⅳ型・Ⅴ型の7種類があります。1口目の終身タイプでAかBを選択します。A型は納付期間中や年金受給までの待機期間、65歳から15年間の保証期間があり、その間に本人が亡くなった場合に遺族一時金が支給されますが、B型は1万円のみの支給です。2口目は1口目に上乗せする形でいくら上乗せしたいのかを考え終身型・期間限定型の中から選択します。途中口数の変更はできますが月額保険料は1と2の両方を足した額です。掛け金の月額表を確認して毎月の支払額に無理のない計画を立てましょう。国民年金基金の加入は任意ですが一度加入すると任意脱退ができない事となっています。但しサラリーマン等になった時や国民年金保険料を免除された時は資格喪失します。
◆税制上の優遇  一般の個人年金は年4万円までの所得控除しか受けられないのですが国年基金は掛け金の上限月68,000円まで社会保険控除とされます。例えば課税所得が約400万円掛け金は年30万円納めた場合で所得税・住民税が9万円ほど軽減されます。年金を受けた時も公的年金控除の対象となります。

平成26年7月1日以後提出分より 税務調査の『事前通知制度』改正


◆税理士のみに「事前通知」が可能に!  平成26年度税制改正において、国税通則法及び税理士法の一部が改正されました。これによれば、平成23年12月改正(平成24年10月1日から実施)より行われていた税務調査の『事前通知』(調査を行う旨など法定の11項目を電話(口頭)で通知する制度)について、税務署が『納税者』と『税理士(税務代理人)』の双方に対して行っていたものを、今後は納税者の希望により、『税理士』のみの形とすることが選択できるようになったとのことです。この場合、『新制度』を希望する納税者は、申告書の提出時に添付する新形式の『税務代理権限証書』の『調査の通知に関する同意』(調査が行われる場合には、代理人に通知することに同意)欄のチェック欄『□』にチェックマーク『レ』を入れて頂くことになります(平成26年7月1日以後の提出分より)。
◆一般納税者の気持ちを慮ると…  平成23年改正の税務調査制度の法定化はいろいろと明確になった点(無予告調査の要件化など)も多かったのですが、この『事前通知』(日程調整の連絡・事前通知項目)があまり日常では税務署との接触のない納税者の方にいくと、当初はかなりビックリされておりました。そのようなこともあって、税理士の側でも、折に触れクライアント様に『税務調査があるときは…』と周知を行ってきましたが、以前の運用のとおり『税理士のみで構わないのでは…』という意見もかなり出ておりました。
◆H26.3決算でも『前倒し』適用できます!  平成26年4月に国税庁HPには、この『新制度』に関するFAQが早速掲載されております。これによれば、①H26.3決算法人がH26.5に提出する申告書にも『事前通知に関する同意』を記載した税務代理権限証書を添付することが可能なこと、②これまで提出した申告書について『事前通知に関する同意』をしたいときは、過年度分について提出する必要はなく、次回の申告の際に、(新)税務代理権限証書の『過年分に対する税務代理』欄のチェック欄『□』にチェックマーク『レ』を入れてればよいこと、③既に提出してしまった相続税申告書に『新制度』を用いたいときは、『同意』を記載した税務代理権限証書を再提出することなどの取扱いが追加されています。

お墓は「相続」されるのか?


◆お墓は遺産にあらず
相続では財産の承継のみならず、お墓を誰が守るかでも揉めることがあります。これは、どのように決まるのでしょうか。
民法は、祭祀財産を遺産として遺産分割の対象とするのではなく、別の規定に基づき祭祀主催者が承継すると規定しております。祭祀財産の種類は、系譜、祭具及び墳墓であり、お墓は「墳墓」に該当します。なお、遺骨は、これ自体は祭祀財産ではありませんが、判例は、慣習に従って祭祀を主宰すべき者に帰属するとしています。

◆祭祀財産とは何か
祭祀財産は、遺産分割の対象外である上に、差押禁止物であり、かつ、相続税のかからない非課税財産です。これらはわが国の祖先崇拝という習俗等を考慮したものですが、その趣旨を逸脱して、専ら、脱法的な、あるいは、鑑賞の目的のために、祖先祭祀という趣旨を逸脱し、または、その機能が既に失われた場合には、通常の財産・遺産として扱うべきです。

◆誰が承継することになるのか
祭祀財産の所有者(被相続人)が死亡すると、祭祀主催者がこれを承継します。祭祀主催者は、以下の通りに決まります。
①被相続人の指定(生前行為でも遺言でもよく、口頭・書面、明示・黙示のいかんを問わない)があればその指定に従う。
②①の指定がない場合は、慣習に従う。
③①の指定も②の慣習でも明らかでない場合、①の指定や②の慣習の有無やその内容等に争いがあるような場合は、家庭裁判所が指定(審判)する。
③の指定の基準は、判例により、「承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、承継候補者と祭具等との間の場所的関係、祭具等の取得の目的や管理等の経緯、承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、その他の一切の事情(例えば利害関係人全員の生活状況及び意見等)を総合して判断すべきである」とされています。

破産と法律上の貸倒れ


◆税務上の貸倒れ
税務上、貸倒れは、①債権の全部又は一部が法的手続により引き捨てられた場合の「法律上の貸倒れ」、②債務者の資力喪失により債権が回収不能となった場合の「事実上の貸倒れ」、③売掛金等に限り、債務者との取引を停止して1年以上経過した場合等の「形式上の貸倒れ」に区分されます。
法律上の貸倒れは、法人の経理のいかんを問わず損金の額に算入されますが、それ以外は、貸倒れとして損金経理したときに限り損金の額に算入されます。
法律上の貸倒れには、会社の判断が入る余地はなく、事実が生じた事業年度以外に損金算入が認められません。

◆破産債権の取扱い
更正債権や再生債権については、法律上の貸倒れについての取扱いはありますが、取引先が破産した場合の破産債権について、法律上の貸倒れについての取扱いはありません。その理由として、破産には債権の切捨てという制度がないこと、また、破産の態様によって法人格の消滅がなかなか特定できないこと、さらに、破産債権に連帯保証人がいる場合もあること、等が挙げられています。

◆破産の態様と法律上の貸倒れ
会社は破産宣告を受けても法人格が消滅するわけではなく、単に当該会社は解散するだけです。法人格は、裁判所が行う破産手続き終結の決定により消滅します。
しかし、多くの場合、破産手続き開始後に費用不足が判明し、破産手続きが途中で頓挫してしまうことがあります。すなわち、破産手続きの廃止決定です。この廃止のことを異時廃止といい、その効果は、破産の効果を招来に向かって消滅させるものです。
この異時廃止の状況に至った時、法人格の存在はどうなるか、です。異時廃止の場合も法人格は消滅しますが、現行の課税実務では、当該法人はいまだ清算中の会社として存続している、との理解です。
そうしますと、異時廃止の場合は、会社は清算中の法人として存続していることになりますから、その限りにおいて、法律上の貸倒れはありません。
したがって、事実上の貸倒れの判断ですから、時期をみて(場合のよっては破産宣告から10年、15年経ても)、回収不能である旨の事実を明らかにし、損金経理によって貸倒れを計上することができます。

個人株主が破産した場合 破産財団からの自己株式の取得


◆個人株主が破産した場合の自己株式取得
平成26年3月14日付の東京国税局の文書回答事例に面白いものがありました。平たく言えば『個人株主が破産した場合に、会社がその自社株式を破産財団から買取った場合には、源泉徴収はしなくても構いませんよね?』という照会です。
この事前照会によると、照会者である会社(当社)の取締役が裁判所から破産手続開始の決定を受けてしまい、当社の株式がその破産財団に組み込まれてしまったとようです。当社は非上場であるため、破産財団側としても市場で売却するなどの処分もできず、当社が時価による自己株式の買取りに応じた―ということでした。

◆通常の非上場の自己株式取得なら源泉徴収
通常、非上場会社が自己株式を取得した場合では、その自己株式の取得により交付を受ける金銭等の額が当社の資本金等の額(基因となった株式に対応する部分)を超えるときには、その超える部分が『みなし配当』とされ、所得税法では配当所得、『みなし配当』以外の部分が株式等に係る譲渡所得となります。当社の立場から言えば、この『みなし配当』について源泉徴収義務が生じるということになります。

◆強制換価手続きによる非課税規定の射程
所得税法には『資力を喪失して債務を弁済する能力が著しく困難な場合における強制換価手続きによる資産の譲渡による所得』は非課税とする規定があります。そこで、照会者は、当社の事案がこれに該当しますよね?と事前照会をした訳です。
一見、この自己株式の取引は、取締役が財産の管理処分権を失ったことにより株式を組み入れた『破産財団』と『当社』の取引なので、資力を喪失した取締役(個人)の取引には見えません。従って、取締役の資力喪失を要件とした非課税の適用は難しいように見えますが、法律上はこの時点で取締役は財産の管理処分権を喪失していても、所有権までは喪失していない状態―つまり、取締役個人がまだ取引の当事者という位置付けなのです。また、この非課税規定の『資産の譲渡による所得』を聞くと、『譲渡所得』が連想されますが、強制換価による譲渡を原因とする所得を意味するため、『配当所得』でも非課税であると判断されました。

大企業向け税制ですが…H26年度接待飲食費の改正


◆H26.4.1以後開始事業年度から適用開始  中小企業向けの税制とは言えないものですが、今回は平成26年度の『接待飲食費』の改正について解説したいと思います。  平成26年4月1日以後の開始する事業年度から、『接待飲食費の50%特例』の取扱いがスタートします。この制度自体は、資本金や青色・白色の区別なく全ての法人について、接待飲食費の50%を損金不算入とする―その裏返しで、50%の損金算入が認められるというものです。平成18年改正より、1人当たり5,000円以下の飲食費については、交際費等の範囲から除かれる措置がなされていましたが、これに当たらないものについて、上記の制度が適用されます。さらに『5,000円以下の飲食費』との取扱いと同様、社内飲食費については、その範囲に含まれておりません。尚、この改正は事業年度単位の適用になっておりますので、4月1日以後の飲食が即、この制度の適用となるわけではないことにご注意下さい。
◆大多数の中小企業は定額控除選択か  とはいえ、この制度は、資本金の額が1億円以下の法人については、年800万円まで損金算入ができる定額控除限度額方式との選択とされています。実際に『接待飲食費の50%特例』の方が有利となるには、800万円÷50%=1,600万円の接待飲食費を使わなければなりません。国税庁の統計(H23)では、単体申告の1億円未満の法人225万8842に対して、その交際費総額は、2兆797億円。1社平均で92万円ですので、まず中小企業が新制度を選択することは少なかろうという訳です。ただし、連結親法人の資本金等の額が1億円以上である連結子法人については新制度の適用が考えられます。
◆適用する大会社での区分管理が大変!  一方、新制度を適用する大法人にとっても、新年度からは、交際費の区分管理が結構大変になります。つまり、税務上①5,000円以下飲食費、②50%特例対象の接待飲食費、③社内飲食費、④その他の交際費の4区分の管理が必要になるのです。また、他の接待行為の一連の行為と認められたものの区分もより徹底しなければならない訳で、経理部だけでなく、営業など他部門にも周知・教育が必要となります。